2月定例会スタート!車両接触事故が減少しないのは何故なのか?モノの価値を極力損なわない修繕・撤去について

今日から塩竈市議会2月定例会がスタートしました。

2月定例会は令和5年度の新年度予算を審議する定例会です。

今回は、夏に市長選挙・市議会議員選挙を控えており、慣例として骨格予算(”政策的経費などの予算計上を避け、人件費など必要最小限度の経費を計上した予算”)となっています。

しかし、内容は令和4年度当初予算を3%(約11億円)ほど上回る353億8530万円とボリュームのある予算です。「第6次長期総合計画を推進させるための政策的予算を含んだ予算」とのことで、骨格予算なのかどうかよくわからない状況。そもそも、市政は立てた計画に基づいて行われるものなので、市長選挙のある年に骨格予算を立てるという慣例自体無くてもいいと思っています。

初日の今日は、令和4年度補正予算について質疑がおこなわれ、僕からは一向に減らない公用車の車両接触事故について質疑を行いました。

目次

専決第1号 車両接触事故による和解及び損害賠償の額の決定について

定例会が行われるたびにある公用車の車両接触事故の報告

数えてみると、年間約10件程度の車両接触事故が報告されています。この数字が大きいのか小さいのか、比較できる数値はなかなか見つかりませんが、一例として、宮城県警で公開している宮城県の交通事故発生状況を見てみると、令和4年の交通事故発生件数は4117件。そのうち塩竈市で発生したものは98件となっています。警察に報告されていない小さな接触事故はカウントされていないと思いますが、市役所で発生している10件はけして少ない数字とは言えないと思います。

主な要因は発進時の不注意

市役所公用車が起こしてしまった接触事故の要因を伺うと、主な要因は車両を発信させる際の周囲の確認不足であることがわかりました。その類の事故はもう何年も続いているため、市役所では「公用車を使用する際は2名以上乗車し、公用車を発信させる際は、1名が降り車両の周辺を確認する」ようにしているとのことですが、それが守られていない(降りて確認していない)のが原因とされています。また、研修会などを通して、車両の周辺確認を徹底するよう指導しているとの事ですが、同じ様な事故が毎年報告されてきます。

なぜ自分たちで決めた確認ルールを守れないのか。

「急いでいた」「ついうっかり」「守る意識が欠けていた」

理由は様々あると思いますが、事故が減っていない状況は看過し難いものがあります。

市職員からの答弁で「助手席に注意喚起の大きなステッカーを貼る」という対策を紹介されましたが、そもそも守る意識が薄い人や、急いでいる人が貼られたステッカーを見て確認行動を行えるとは思えません。また、貼った当初は注意喚起の効果があるかもしれませんが、見慣れてしまったら効果は薄れてしまうのではないでしょうか。

昨年連続で発生した送迎用バスの置き去り事件の対策のように、個人の努力に期待するのに併せて、「周辺確認しなければ車が動かせない」ような個人の努力に依らない仕組みの導入を考えてどうかと思います。

不幸中の幸いというべきかわかりませんが、現在は物損だけで済んでいます。人に怪我を負わせてしまう事故が発生する前に、徹底した対策をしてほしいと思います。

マリンゲート塩釜の屋上オブジェ解体撤去工事について

マリンゲート塩釜マスターデッキ(3階屋上)に設置している鉄製オブジェを解体撤去するというこの案件、溶接による応急修繕も効果なく、老朽化の進行により解体撤去するとのことですが、鎌田議員からご自身の経験に基づいた技術的な指摘があり、興味深い質疑となりました。質疑の中から、破損に対する対応の不味さだけでなく、修繕に関する基本的な考え方の甘さが見えてきました。

鎌田議員の質問は興味深かった

建物やオブジェの解体や修繕などの案件はこれまでも多く出てきましたが、今まで議会からの質疑は「利用できない期間、利用者はどうすればいいのか?」と言った質疑くらいしか出されていなかったと記憶しています。しかし、今回は議員が持っている技術的な視点から、破損箇所に対する初期対応の不適切さや対応行動の矛盾を指摘されており、「なるほどなぁ」と感心しながら聞いていました。

(塩竈市議会の場合)18人いる議員がそれぞれの得意分野を活かして案件をチェックする良い例だと思いました。 願わくば、鎌田議員から事前に質疑の情報共有がされていれば、僕としても別の対応もできたのになぁとも思いました。

“老朽化したから壊す”では芸がない。モノの価値を損なわない管理方法を。

僕的に気になっているのは、ただ単に”壊れたから・危ないから撤去する”という行政のモノの管理の考え方です。

もちろん、壊れたものや壊れかけているものを放置して利用者に怪我を負わせては大変ですので、対策を講じる必要はあるのですが、その前段階として壊れないように定期的なメンテナンスを行うという考え方や、そのモノの価値を損なわない修繕の仕方をするという考え方が欠けているように思います。

今後、地方自治体の予算が縮小していく中で公共施設の維持管理費が財政に大きな重荷となっていくことが予想され、塩竈市でも「塩竈市公共施設再配置計画」が策定されました。その中で、施設の予防保全的管理や長寿命化等に資する方針をとりまとめた「塩竈市公共施設個別施設計画」が策定され、建物については長寿命化という考え方が定着しつつあると思いますが、公園の遊具など建物以外のものにはまだ及んでいないと思います。

また、モノが壊れて大規模な修繕や撤去などの対応が必要になった際、ただ単純に元通りにしたり撤去するのではなく、そのモノの役割を考え、適切な形で修繕・代替えすることが大切だと思います。公園の遊具を例に挙げると、遊具の有る無しでその公園の利用者や提供できるサービスは変わってきます。デザインに凝ったものを例に挙げると、修繕の中でデザインが大きく変更されてしまうと、そのモノの利用価値は大きく減少してしまうかもしれません。それらの様なことを意識して対応ができるかどうかが大切だと思うのです。

一番の問題は責任の所在の不明確さ

マリンゲート塩釜は、塩竈市の所有する建物ですが、指定管理として塩釜港開発(株)が管理しています。細かな修繕は指定管理者が、大規模改修は塩竈市が行います。偏った見方をすると、指定管理者としては業績を上げるために修繕費をしぶり、改修を市に任せようという事になります。

今回の件は、その様な考え方が働き起きた出来事だとも考えられます。誰がどこまでの責任を負うべきか、しっかりと明確にしていく必要があります。

さて、明日は定例会2日目。

新年度予算の総括質疑が行われます。僕からは、塩釜中央公共駐車場を例に、数値的根拠に基づいた事業構築について質疑します。

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